無料で楽しめるアートin公共施設 ~岩倉市役所編~

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1.はじめに

わたしは、愛知県岩倉市で観光まちづくり事業を企画・運営する「NPO法人いわくら観光振興会」で働いています。岩倉市は、愛知県の北西部、西尾張地区にあり、市のほぼ中心を流れる五条川は日本の「さくら名所100選」に選ばれたお花見処で、毎年春に行われる“岩倉桜まつり”が有名です。そんな五条川の桜のように、すでに観光地として認識されているような名所に行くことだけが観光ではないという考えから、日々まちの新しい観光資源を探しています。
今回は、【公共施設は隠れた美術館では?】という話の市役所編です。 

2.公共施設は無料で楽しめるアートのオンパレード

先日、市内の施設「希望の家」にお仕事でおじゃましました。建物の壁面にあったモザイクタイルに惚れ惚れ。

(写真:希望の家 入口のモザイクタイル)

調べてみると、作品名は「望」。名古屋市出身の「加藤大博」さんという現代美術家の作品であることが分かりました。
希望の家に限らず、多くの公共施設には数々の美術品が飾られています。例えば「岩倉市図書館」では「希望の家」のモザイクタイルと同じ「加藤大博」さんの作品を楽しめます。

(写真:岩倉市図書館入口)

市民の集いの場、アデリア総合体育文化センター(岩倉市総合体育文化センター)では、数多くの絵画等が寄贈されています。わたしのお気に入りは多目的ホールの入り口付近にある、「杉江淳平」さん作「飛翔」というタイトルの陶壁です。

(写真:アデリア総合体育文化センター多目的ホール入口付近)

岩倉市の未来を洞察したもので、虹は未来への夢を、下方は五条川の流れにより自然の豊かさを表現しています。鳩は平和を象徴していて、この施設に多くの市民が集まり、語らいの場となるよう願いが込められています。
 
作品について調べている過程で、公共施設にある寄贈品は、実は誰でも無料で楽しめるアートなのではないか?という考えに至りました。 

3.岩倉市役所だってアートであふれている!

たくさんの作品を見ていると、何気なく飾られている作品も、それらをじっくり味わうことを目的にしたら、ちょっとしたイベント気分でたのしめるのでは?と思えてきました。早速、わたしの働く「岩倉市役所」にスポットを当ててみることにします。

(写真:岩倉市役所)

担当課にて確認すると、市庁舎内には十数点の寄贈された絵画、書が飾られていることが分かりました。
今回は、予約をしないと観られない部屋ではなく、ホールなどの基本的に誰でも入れる場所で楽しめるアートの中から、わたしの厳選した3点を紹介します。

①  関戸伸 寄贈「ドンキホーテ」/岩倉市役所3階廊下
(写真:関戸伸 寄贈「ドンキホーテ」)

ガラスが反射するので、写真は斜めからの撮影になっており、見にくいかもしれませんが・・・今にも飛び出してきそうな騎士と馬の様子が写真からも伝わるかと思います。市内在住だった関戸伸さんは「馬(競走馬)」をモチーフにした作品を数多く描いているようです。作品は市役所以外の施設にも飾られています。アデリア総合体育文化センターの「人と馬」は“見たことある!”という方いるのでは?

(写真:関戸伸 寄贈「人と馬」/アデリア総合体育文化センター)
②  鹿島紫龍(かしましりゅう) 寄贈「こころ」/岩倉市役所2階廊下
(写真:鹿島紫龍 寄贈「こころ」)

協会の会長としてご活躍された、鹿島紫龍先生の書です。近くで見ると、迫力とあたたかさを兼ね揃えたような、そんな作品なので、来庁されたらじっくりと見ていただきたいです。また、先程の作者と同じく、他の公共施設でも作品を見ることができますよ。

 ③  秋田光彦 寄贈「ブリキの男IV」/岩倉市役所2階会議室1(フリースペース)
(写真:秋田光彦 寄贈「ブリキの男IV」)

この作品を寄贈した秋田光彦さんは、元名古屋芸術大学の講師をされていた方で、市内のお寺「宝聚院」の住職でもあります。2年くらい前になりますが、「市内のお寺32カ所をすべてお参りする」という参加者は自分だけのお寺巡り企画をやっていて、お参りした「宝聚院」の敷地の中に絵画教室があり、テンション爆発して住職さんに話を聞いて・・・ということがありました。今になって、まさか自分の席のずっと近くに住職さんの作品があったことに、ただただ興奮しております!(笑)立体の作品ですのでぜひ近くで見ていただきたいです。

(写真:秋田光彦 寄贈「ブリキの男IV」※ピアノ線のようなものが張られている)

4.まとめ

\こういう出会いがあるから、調べることを辞められない!/
「市役所なんて、用事が無きゃよっぽど行かない。」
そんな人がほとんどだと思います。それでは、市役所や公共施設は観光とは関係ない存在なのでしょうか?
今ご紹介したような寄贈品を見に来てと、例えば市役所自体を観光資源にするのは、なかなか難しいのかなとは思います。
しかし、まちのことを思って寄贈された作品を楽しむことは、住んでいる人も含め、まちに愛着を抱くきっかけの一つになるんじゃないかと思っています。“観光”という言葉を広い意味で捉え、この言葉をキーワードにまちを知れば知るほど、その魅力はどんどん広がっていくと思います。
 
追伸:今回は「岩倉市役所」にスポットを当てましたが、文中でもご紹介した市内の施設「アデリア総合体育文化センター」も見応えたっぷりのおすすめスポットです!誰でも無料で楽しめるアートを、ぜひ体験してみてください♪
 

写真:左/髙木大宇 寄贈「心」/アデリア総合体育文化センター1階
写真:右/髙木大宇揮毫 い~わくんポストカード 岩倉市観光情報ステーションで販売中
写真: アデリア総合体育文化センター館内にある作品の数々
この記事を書いた人
木村さや香

NPO法人いわくら観光振興会
人事教育長/イベント企画制作
1986年生まれ。岩倉市在住。1児の母。岩倉市PR大使い~わくんのアテンド"鯉のぼり恋子 "としても活動。「観光資源は自分たちでつくることができる」をコンセプトに、市内の農家や商店、消費者をつなぐ企画を提案している。

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